デクの祈りうた

キリスト教徒の祈りを、詩とエッセイにこめて

病と祈りと

(しあわせのうた)  明日も生きる

しっかりしなきゃと自分を叱る その声はまだ弱々しいけれど あれもしよう、これもできると心が躍った それは昨日までの事 わたしが見送った家族が夢に来た みんな笑みをうかべて、手招いて せっかくのお誘いだけれど 「吾、病と闘う者なり!」―その心意気で…

(しあわせのうた)  今日を抱きしめて生きる

1 しみじみ思う 健康のありがたみと日々の暮らしの意味深さ あんな事でムキになったり、こんな事に時間とお金を費やしたり わたしが健やかで、するべき事があって、笑い声をあげていたのは昨日 せのびせず、卑下もせず 病んだ者の今日の暮らしを抱きしめて…

(病と祈りと) 伴走②

〈苦しみながら走るひとの隣りにいる。それが走る人の助けになる。―そのように願い、期待する。たとえ隙間は容易に埋められるものではないとわかっていても。 その伴走者にも孤独があるでしょう。つなぎあうリボンは、孤独と孤独とを結ぶ祈りのリボンとなれ…

(病と祈りと) 伴走①

〈苦しみながら走るひとの隣りにいる。それが走る人の助けになる。―そのように願い、期待する。たとえ隙間は容易に埋められるものではないとわかっていても。 その伴走者にも孤独があるでしょう。つなぎあうリボンは、孤独と孤独とを結ぶ祈りのリボンとなれ…

(病と祈りと) 妻と夫のつぶやき②

1 妻 しんぞうバクバクの検査前 血圧がまた上がってしまった ああ、白衣を見ると血圧が上がるわたしなの! わが家に重なった肉親の死 それから怖くなったのかもしれない せっかく来たのだから何とか受けないと―大事な胃カメラの検査 2 夫 しんぱいしないで…

(病と祈りと) 妻と夫のつぶやき

1 妻 しっかりできないから まだショボンとしててもいいのよネ あの人はシャキッと立って いざ闘病! の姿勢だけれど わたしは自分を甘やかしたい もうちょっとだけ せめこんでくる夜明けの不安 今は耐えるだけで精一杯なの 2 夫 しっかりしなよと言わない…

(病と祈りと) 患者との隙間ー寄り添う

〈安易に使われ過ぎている「寄り添う」という言葉。これは「埋めたい」という願望を強くもちながら、しかしどうしても相手との間に埋めきれない隙間ができてしまう、ということを、いたみをもって感じ取った者こそが使える言葉でしょう。「寄り添う」という…

(病と祈りと) がんの告知④

〈がんなど、重い病の告知について、「死」を見据えて書かれたものは多くないようです。わたしもうろたえました。妻は、毎年の特定健診で知らされました。思いがけなかっただけに、驚きは大きいものでした。妻のほうがもっと大きく衝撃的であったにちがいあ…

(病と祈りと) がんの告知③

〈がんなど、重い病の告知について、「死」を見据えて書かれたものは多くないようです。わたしもうろたえました。妻は、毎年の特定健診で知らされました。思いがけなかっただけに、驚きは大きいものでした。妻のほうがもっと大きく衝撃的であったにちがいあ…

(病と祈りと) がんの告知②

〈がんなど、重い病の告知について、「死」を見据えて書かれたものは多くないようです。わたしもうろたえました。妻は、毎年の特定健診で知らされました。思いがけなかっただけに、驚きは大きいものでした。妻のほうがもっと大きく衝撃的であったにちがいあ…

(病と祈りと) がんの告知①

告知当日 〈がんなど、重い病の告知について、「死」を見据えて書かれたものは多くないようです。わたしもうろたえました。妻は、毎年の特定健診で知らされました。思いがけなかっただけに、驚きは大きいものでした。妻のほうがもっと大きく衝撃的であったに…